【ネタバレありレビュー】『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が告げるマーベル新時代、ファン待望の瞬間到来

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 まさに新たなる章が始まる。映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(公開中)は、スパイダーマン/ピーター・パーカーが新たな一歩を踏み出す物語であり、同時にマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新章到来を告げる1作だ。この2つが同時に開幕することが、MCUファンの胸を熱くさせる。(以下、映画のネタバレを含みます)

【画像】プリンセスみたい!ジーン・グレイ役のセイディー・シンク

 ピーターは、スパイダーマンであることと、ピーター・パーカーであることの、どちらを選択するのかと問われ、決然と「両方だ」と答えて前に進む。そういう物語が、MCUの古参キャラクター、新世代キャラクター、かつて他の製作会社で描かれていたキャラクター、さまざまな出身のキャラクターたちによって紡ぎ出されていく。二重の新たな幕開けが、目の前で繰り広げられるのだ。

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 アベンジャーズのハルク/ブルース・バナー(マーク・ラファロ)、ニュー・アベンジャーズの2代目ブラック・ウィドウ/エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー)、Netflixドラマ「デアデビル」出身のパニッシャー/フランク・キャッスル(ジョン・バーンサル)が同じ世界に集結し、一つの物語を形成していく。さらに何より大きな一歩は、かつて旧20世紀フォックス製作で描かれてきた映画『X-MEN』シリーズの主要キャラクター、ジーン・グレイ(セイディー・シンク)が登場し、ファンが待ち望んでいた<X-MENのMCU合流>がついに実現することだ。

 振り返れば、X-MENの合流までの道のりは長かった。始まりは、2017年のディズニーによる20世紀フォックスの買収のニュース。すぐにMCUファンはX-MENの合流を期待するが、ケヴィン・ファイギの発言は慎重で、2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』記者会見でも「合流はかなり先になる」と発言、フェーズ5~6を発表した2022年のサンディエゴ・コミコンでも「もうすぐ話せるようになる」に留まり、やっと「X-MENは今度のMCUで重要な存在になる」と発言したのは2024年の『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)のインタビューだった。その『デッドプール&ウルヴァリン』にX-MENのキャラクターは登場しているが、アベンジャーズとの合流がいつになるのかは未発表だった。

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 そんな中、ファンを騒がせたのが、2025年3月12日の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』の新キャストの発表だ。俳優は、人気ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のセイディー・シンク。しかも役柄は未発表。ここで注目なのは、セイディーの髪が見事な赤毛なことだ。マーベル・コミックで有名な赤毛の女性といえば「スパイダーマン」のMJだが、この映画にはすでにMJがいる。それ以外のマーベルの有名な赤毛の女性と言えば、X-MENでも最強のパワーを持つテレパス、ジーン・グレイなのではないか。そこでファンの間では、セイディーがジーン・グレイを演じ、この映画でX-MENとの合流が実現するのではないかと期待が高まった。

 しかし、その噂を打ち消すかのように登場したのが、本年1月6日配信の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』の特別映像第3弾。この映像に旧20世紀フォックス製作の『X-MEN』シリーズの主要登場人物、プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)、マグニートー(イアン・マッケラン)、サイクロプス(ジェームズ・マースデン)の姿が描かれ、X-MENの本格合流は『ドゥームズデイ』かと思わせたのだ。また、彼らと同時期にジーン・グレイを演じたのはファムケ・ヤンセンだったので、セイディーが演じるのは別の役なのかとも思わせた。

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 セイディー自身も、このファンの期待を知っていたに違いない。取材で何の役を演じるのか尋ねられても「私が演じるのは、スパイダーマンではないし、メイおばさんでもない」と答えて、最後まで逃げ切った。

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 こうして、ついに公開されたのが本作。本編でのジーン・グレイの登場の仕方は、ファンの高まる期待を意識した演出に違いない。最初は敵の姿はまったく見えず、少しずつ、この人物が人間の意識に作用するパワーを持っていることが明らかになっていき、「え、強力なサイコパワー? それってやっぱり?」とファンの期待を高め、やっとこの人物の顔と名前を明らかにする。そこでファンは「思った通り!」と大喜びしてしまうのだ。

 また、本作のジーン・グレイの設定が「特殊な能力を持っているというだけで、周囲から排斥される存在」という『X-MEN』シリーズのミュータントの基本を守っていることも重要だ。この製作陣の姿勢が、今後のX-MENたちの活躍への期待を高めてくれる。

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 また、本作はもうひとつの新たな幕開けも宣言している。それは、このジーン・グレイを、旧20世紀フォックス版映画とは違う俳優が演じていることだ。さらに本作の公開直後、マーベルが『X-MEN』新作映画において人気キャラクター、エマ・フロストのキャスティングを固めたと報じられた。こちらの俳優も旧20世紀フォックス製作版とは異なり、『レディ・オア・ノット』のサマラ・ウィーヴィングだという。彼女は『レディ・オア・ノット2』で、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』でアントマンの娘キャシーを演じたキャスリン・ニュートンと共演済み。こうしてMCU新章への準備は、着々と進められている。

 さらにもう一つ、本作には大きな贈り物を与えてくれた。それはポストクレジット・シーン。ネッドが開発したアプリ「スパイディ・トラッカー」が表示したスパイダーマンの居る場所は、なんと地球外! これはスパイダーマンが、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ」または『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ(原題)』に登場するという予告だろう。スパイダーマンの帰還を、今から楽しみにせずにはいられない。(平沢薫)

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