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なぜ彼は売れ続けているのか?七色に輝く俳優・池松壮亮総力特集!(2/5)

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年下キャラがハマる

だれかの木琴
『だれかの木琴』(9月10日公開)(C) 2016『だれかの木琴』製作委員会

 角田光代原作の『紙の月』(2014)では、大女優・宮沢りえを相手に、人妻との情事にのめり込んでいく大学生を演じた池松。大学の学費の援助をきっかけに食事代、ホテル代、衣服など人妻から貢がれるうちに金銭感覚がマヒしていびつな関係になっていくという、見方によれば「悪い男」だが池松が演じるとニクめず、ラブシーンも決して嫌らしく見えないのが不思議だ。特に、電車の中のシーンで、人妻をじっと見つめる透き通った目を見たらどんな女性だって瞬時に恋に落ちてしまうはずだ。舞台「母に浴す」や映画『愛の渦』で組んだ三浦大輔によるdTVオリジナルドラマ「裏切りの街」では、寺島しのぶ演じる17歳年上の主婦と関係を持つフリーター青年にふんし、体当たりのラブシーンが話題を呼んだ。

 そして9月10日公開のサスペンス『だれかの木琴』では、常盤貴子演じるヒロイン・小夜子にストーカーされる美容師・海斗役に。「こんな美容師いそう!」と思わせる文句なしのはまり役だ。海斗が小夜子に「これからも御贔屓に」という営業メールを出したことから、連日メールを送り続け、自宅を突き止めて押しかけ、恋人の店にまで現れるという小夜子の常軌を逸した行動に追い詰められていく。海斗が客である小夜子に絶対服従する一方的な関係にはゾッとさせられるが、美容室で海斗が優しい手つきで小夜子の髪に触れ、変身させていくさまは実に官能的だ。劇中、小夜子の髪を10センチばっさり切るシーンがあるが、これは吹き替えナシだというから驚く。いくら客とはいえここまで大胆なストーカー行為に出られれば法に訴えたくなるはずだが、それをしない海斗の心理も興味深く、今までにない池松の表情が見られる意欲作に仕上がっている。

 『舟を編む』(2013)の石井裕也監督によるホームドラマ『ぼくたちの家族』(2013)では、妻夫木聡の弟役に。ある日突然、母親が余命宣告を受けたことをきっかけに秘められた家族の問題が噴出していくさまを描いた本作で、少々マザコン気味で無意識に厄介な問題は兄任せ、という典型的な次男を好演。ちなみに池松自身は長男で、姉は女優の池松日佳瑠。

>次ページは「セクシー」編

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