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2人のヒロインへの日本人の抜擢は意義がある

2013年9月4日 今 祥枝 ウルヴァリン:SAMURAI ★★★★★ ★★★★★

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ウルヴァリン:SAMURAI

『X−MEN』関連作の魅力は愛着のわく多彩なキャラクターにある。そういう意味では、ヒュー・ジャックマン全力投球のウルヴァリンは本作でも期待を裏切らない。一方でヒューとのガチンコ勝負も迫力の真田広之=シンゲンは、もう少し描き込んで欲しかった。

最大の収穫は、国際的モデルのTAOと福島リラの抜擢だ。TAO演じるマリコは静かな佇まいの中にも凛とした強さがあり、意志がある大人の女性像に好感が持てる。キャラ立ちという点では福島リラの女戦士ユキオが抜群で、身のこなしも軽く、インパクトのある外見にしゃべり方も愛嬌たっぷり。コテコテのアメコミの世界観にあって際立つ福島の個性にしびれた! 『SAYURI』を思えば、この2人の抜擢と健闘には意義があるだろう。

全体としてジェームズ・マンゴールド監督は、生真面目に日本の研究に注力したように見える。ただし、日本人から見ればロケ映像によるリアルな日常と『ライジング・サン』の愛人、別宅といった、まだそこ!?的な不思議の国ニッポンの融合は居心地が悪い。冒頭の原爆投下時のエピソードも含めて「これはアメコミの世界」と割り切って楽しむには努力を強いられる感は否めない。

今 祥枝

今 祥枝

略歴:いまさちえ/映画、海外ドラマライター。『BAILAバイラ』『eclatエクラ』『日経エンタテインメント!』『日本経済新聞 電子版』ほかに連載・執筆中。ほかにプレス、劇場パンフ、各局のHPなどに寄稿。時々、映像のお仕事。著書に『海外ドラマ10年史』(日経BP社)。海外ミュージカルファン。

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