まとわりつくダークなイメージが傷ついても死なない疲弊感に奏功

2017年4月29日 清水 節 無限の住人 ★★★★★ ★★★★★

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無限の住人

 原作は出発点にすぎない。復讐譚という柱はあるが、まるで映画草創期の時代劇のように、劣勢に立った主人公が膨大な数の相手を向こうに回し、斬って斬って斬りまくる。テーマ性よりも不良性感度高き肉体性への執着。三池崇史は「何をやっても木村拓哉」をポジティブに捉え、昨今のキムタクにまとわりつくダークなイメージさえもキャラづくりに取り込む。傷ついて斬られても死なない/死ねない疲弊感と厭世観が奏功している。次々と現れる敵キャラのキャスティング配置も見応えあるが、戸田恵梨香の活劇はもっと観たかった。珍獣ぶりを発揮する杉咲花は、唯一無二の女優になりつつあるが、喚きながらのセリフ回しは聴き取りにくい。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況:●55周年「ウルトラマン」HD Remaster3.0収録「ウルトラ・レボリューション1966」構成演出●「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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