ユートピア的な理想主義につけ込んだ洗脳の怖さ

2017年11月12日 なかざわひでゆき ザ・サークル ★★★★★ ★★★★★

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ザ・サークル

 ツイッターやインスタグラムなどのSNSを介し、世界中の人々が自分の私生活を曝け出す昨今。そんな相互監視社会とも呼ぶべき現代の世相を憂い、人間のプライバシーを奪うテクノロジーの未来に警鐘を鳴らす映画だが、同時に行き過ぎた理想主義の危険性を描く作品でもある。
 あらゆる情報を共有して世界をひとつにすれば誰もが平等で幸せになれる。情報を透明化すれば政治家の汚職やテロなどの犯罪を防げる。トム・ハンクス演じるカリスマIT実業家の語るユートピア論は、まるで新興宗教の常套句であり、おのずと別の思惑が浮かび上がる。少なからず脚本に穴があることは否めないが、理想主義につけ込んだ洗脳の怖さは十分に伝わるだろう。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

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