優れた建築は人の心を癒していく

2020年3月23日 中山 治美 コロンバス ★★★★★ ★★★★★

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コロンバス

親子関係に悩む男女が建物探訪を通して心を癒していく。同様の体験を現代建築の街・ビルバオで味わったことがある。夕方になるとビルバオ川にかかるズビズリ橋から磯崎ゲートに続く道が、通勤客と観光客と散歩する市民の往来で賑わう。人々の生活を考えた動線の美しさに建築の粋を感じ、無性に涙が溢れてくるのだ。本作でも2人は自然と建物が調和した精神病院に安らぎを感じ、夜の銀行の大きなガラス窓から漏れる灯に人の息遣いを感じて孤独感を埋める。劇中、「建築が人の心を癒すのと言っているのは建築家の幻想」というセリフもあるが、間違いなく本作に登場する建築は観客の心を捉えるだろう。その魅力を引き出した撮影と脚本が素晴らしい。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。GISELe、日本映画navi、goo映画、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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