お決まりのパターンではなく、複雑で深い

2021年2月19日 猿渡 由紀 ベイビーティース ★★★★★ ★★★★★

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ベイビーティース

死が迫った中での悲しい恋物語は数多くあるものの、今作はお決まりのパターンとほど遠い。主人公ふたりの間にあるのがピュアな恋なのかどうかが、良い意味で曖昧なのだ。多感な年齢な上、病を抱えていることから時に無謀になるミラにとっては好奇心と冒険心なのかもしれないし、真っ当な職も住処も持たないモーゼスは、精神科医であるミラの父が処方した薬を狙っているのかとも思わせる。両親が、娘にモーゼスは絶対ふさわしくないと思いながらも次第に受け入れていく様子や、モーゼスがドラックを使うのを批判する一方で実は自分たちも心の安定のために薬を使っているという矛盾も、ストーリーに説得力を与える。

猿渡 由紀

猿渡 由紀

略歴:東京の出版社にて、月刊女性誌の映画担当編集者を務めた後、渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビュー、撮影現場レポート、ハリウッド業界コラムなどを、日本の雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿する映画ジャーナリスト。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。

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