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さざなみ (2015):映画短評

2016年4月9日公開 95分

さざなみ
(C) The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014 (C) Agatha A. Nitecka
中山 治美

あるがままカメラの前に立つ。あぁ、美しきランブリング様

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

 S・ランブリングが仏映画『スイミング・ブール』に出演した時、フランソワ・オゾン監督に起用理由を聞いたことがある。「今は顔をいじっている女優ばかり。彼女にはナチュラルな美しさがある」と。
 少しでも若さをキープしようとボトックス注射、いわゆるプチ整形する女優が多いが、確実に表情筋が硬くなる。だが本作の彼女を見よ! 長年連れ添った夫の心の中に、ずっと別の女性がいたことの衝撃、嫉妬、怒り。その感情を言葉ではなく目で、表情で語るランブリングの巧みさを。年齢と経験、そして顔に刻み込まれたシワがなければ、演じることが出来ない役があることを彼女は知っている。ランブリングに魅せられ、見入ってしまう95分。

この短評にはネタバレを含んでいます
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