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美女と野獣 (2017) 映画短評

2017年4月21日公開 130分

美女と野獣
(C) 2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.6

清水 節

ミュージカル劇の音場までを創造した日本語吹替版が素晴らしい

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ベルの両親の過去を始め若干の改変は加えられている。見かけはいいが心の醜い男と、優しくて知的な内面をもつ野獣との対比を中心に、視覚的デザインと音楽性は91年アニメ版に忠実で、窮屈さを覚える。喧伝されたディズニー映画初のゲイの登場に何ら違和感なく、時代はその先へと進んでいる。ならば近年の、王子様待望論を打ち消すディズニーヒロイン像を掘り下げるべきだった。「外見で判断してはいけない」というテーマを貫くため、本質を見抜くヒロインが、野獣のままの彼と結ばれるバージョンこそが現代的アップデート版だったのではないか。それはともかく、単なるアフレコを超えミュージカル劇の音場までを創造した吹替版は素晴らしい。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

エマ・ワトソンがベルに生気を吹き込んだ!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

アニメの実写化は難しいけど、エマ・ワトソン自身がアニメキャラっぽいせいか、ベル役に全くの違和感なし。それどころか、少女に文字を教え、腕っ節自慢のガストンを「頭空っぽの人なんて無理」とばかりに拒否するフェミニストなベルに仕上げているのがさすが。あ、ガストンはアニメ版よりも100万倍男前なので、それを断るベルの勇気もすごいのだ。可憐な歌声も役にぴったりで、実写化されるディズニーのキャラは全部エマに演じてもらったらいいんじゃないだろうか? そしてやっぱり素晴らしいのが、声だけで場面をさらってしまうイアン・マッケランとユアン・マクレガー、そしてオペラも歌えるオードラ・マクドナルド。何も言えねぇ。

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猿渡 由紀

アニメに忠実でありつつ、もっと奥が深い

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

基本的には91年のアニメ版に非常に忠実。違いは、人間が演じることもあって、もっとリアルで、微妙に掘り下げられていること。たとえばベルの母に触れられるし、それに伴い、ベルの父の苦悩がわかる。ル・フウがゲイとして描かれていることはもはやご存知の方も多いと思うが、彼にしても、それだけではなく、ある時点からガストンの行動に疑問を持ち始めている。アニメで見たお笑いキャラで終わっていないのだ。ミュージカルというジャンルではありえない1億6,000万ドルの予算を使っただけあって、CG満載ながらリアル感も失わないビジュアルが実現されている。アニメやブロードウェイ版になかった新曲が含まれているのも魅力。

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くれい響

すべてはストーンじゃない方のエマ次第。

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

ディズニー版実写化にして、ジャン・コクトー版を知らない世代向けに、そつなく仕上げた本作。CMでの「エマ、サイコー!」なゴリ押し感でも分かるように、ベル役のエマ・ワトソンに対する評価次第で、作品の評価も変わるといえる。人気・実力を考慮し、彼女以上の適任者は今いないにしろ、あの美貌で、あの名曲を歌っても、やはりベルには見えない違和感。『シンデレラ』のリリー・ジェームズよりは全然マシだが、『ラ・ラ・ランド』を蹴り、こちらを選んだのは運命の悪戯にも…。ガストン役のルーク・エヴァンスの健闘は認めたいが、今後も続くディズニー実写化の流れ。別にイギリス勢にこだわらない方がいい気もする。

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森 直人

隠し味はコクトー

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

もし監督がB・コンドンでなかったら、本当に単なるアニメ版の実写コピーで終わっていたかも(ジョン・レジェンド&アリアナ・グランデの歌唱など素晴らしいですが)。ゲイキャラクターの付与はあくまで一例で、コンドンが自分の『美女と野獣』の原点と言及するジャン・コクトー版のタッチが流れ込んでいる事が大きい。セット撮影のアートワークなど具体的な影響も認められる。巧いバランスのマイナーチェンジだ。

コンドンの強みはミュージカルの心得はもちろん、クラシック映画の教養と人物描写の陰影に長けている点。『フランケンシュタイン』の監督J・ホエールの晩年に迫る傑作『ゴッド・アンド・モンスター』と並べたくなった。

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なかざわひでゆき

アニメ版の忠実な実写化には賛否あって然るべき

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ディズニー・アニメ版『美女と野獣』を文字通りそのまま実写化した本作。ル・フウに同性愛的なニュアンスを持たせるなどの違いは僅かで、全体としてはほぼ忠実な再現に徹している。実写版『ジャングル・ブック』の見事なリアリズム解釈を思い返すと、このオリジナリティの希薄さには賛否両論あって然るべきだろう。
 美術や衣装の絢爛豪華な美しさも確かに目を引くが、しかし同時に舞台セットのようなハリボテ感も否めない。実写映画として綺麗過ぎるのだ。これもまたアニメ版の再現に徹したゆえなのだろう。いずれにせよ、コクトー版『美女と野獣』を偏愛する筆者としては、わざわざ実写化する必要はあったのか?とも思えてしまう。

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平沢 薫

アニメ版そっくりで問題なし!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 アニメ版のファンが大喜びなのは、全米での大ヒットが証明してる。この実写化のコンセプトは"アニメ版をそのまま実写にする"。昨今のディズニーアニメ実写化作のコンセプトは"新たな解釈で描き直す"だったが、今回は違うのだ。アニメ版と同じ解釈で同じ曲。新たなシーンや新曲もあるが、オリジナル作の世界内にきっちり収まっている。名シーンもそっくりなので、アニメ版と実写版のどっちがより魅力的か比較するのも楽しい。

 思えば原作アニメは大昔ではなく91年の作品。アニメ版がすでにおとぎ話を現代的な解釈で描き直しているので、それ以上アップデートする必要がなかった。そこを見極めたところに、本作の製作陣の技がある。

この短評にはネタバレを含んでいます
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