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リバー、流れないでよ (2023):映画短評

リバー、流れないでよ (2023)

2023年6月23日公開 86分

リバー、流れないでよ

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

なかざわひでゆき

今度のタイムループは2分だ!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 京都・貴船の老舗料理旅館を舞台に、同じ2分間を永遠に繰り返すという超細かいタイムループに巻き込まれた人々のドタバタ騒動を描く。全員に「時間が巻き戻っている」という自覚があり、なおかつ前回までの記憶もちゃんとあるというのがミソ。限られた時間の中で「なぜループするのか」「どうすれば抜け出せるのか」を究明していくわけだが、だんだんと時間の繰り返しを楽しみ始めちゃったり、そうかと思えば各々のダークな部分が頭をもたげたりと、一筋縄でいかないストーリーの面白さは、なるほど『四畳半タイムマシンブルース』の上田誠らしい脚本といえるかもしれない。人を食ったようなオチも、丁度いい塩梅にユルくて好き。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

“時の牢獄”が快感に変わる、『ドロステ』超えの面白さ!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

そろそろネタ切れも感じるタイムループものだが、そこはヨーロッパ企画による劇場映画第2弾! ドロステ効果を扱った前作『ドロステのはてで僕ら』同様、京都で起こった2分間の“時の牢獄”を描きつつ、ちょっとした恋物語を軸に、さまざまなジャンルを超えまくる。1ループ、1カット撮影もさらに効果的で、お客様へのもてなし最優先のグランドホテルならぬ、“老舗旅館形式”な群像劇からズレていく展開に引き込まれること間違いなし。「東京サンシャインボーイズ」へのリスペクトも感じる近藤芳正の“客演”もたまらないなか、前作より分かりやすく、より無駄なく、より面白いという、本年度ベスト級の仕上がりだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

タイムループ地獄が、映画として躍動していく未体験マジック

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

2分経過したら、時間が戻り、登場人物も元の位置から行動をリスタート…という延々のループ。さすがに途中で飽きるだろ、と思ってたら、登場人物たちが状況を受け止め、それぞれ作戦を考え奮闘する行為が楽しすぎるし、意外なまでに次々と問題/ドラマが発生するので、観ながら快感ループにハマってしまう。
各2分のパートは基本ワンショットのカメラで撮られるので、没入感を高める効果満点。
基本は「ありえない」非現実設定も、納得がいくように(そして軽やかに)ケリをつけるあたりは『四畳半タイムマシンブルース』の発展型で、まわりの風景の微妙な変化がSF的現象の解明のカギになったりと、実写ならではの想像力刺激パートが多数。

この短評にはネタバレを含んでいます
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