ブラック・デーモン 絶体絶命 (2023) 映画短評

巨大ザメ映画でありつつ、かなり変化球
巨大ザメ映画だが、このジャンルの定番以外の要素が山盛り。巨大ザメvs人間の死闘という大枠は踏まえ、深海という領域が人間に与える原初的恐怖感を意識しつつ、そこに、巨大資本による環境破壊、海外企業と地元住民の文化的対立、主人公の倫理的葛藤をプラス。さらにメキシコを舞台に『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でも下敷きにされたメソアメリカ文明、その雨と雷の神トラロックの伝承を絡めて、この巨大ザメは果たしてただの生物なのか、というところまで持っていこうとする。数々のアクション映画の助監督出身の『ランボー ラスト・ブラッド』のエイドリアン・グランバーグ監督が、脱出アクションを手堅く演出。
この短評にはネタバレを含んでいます