劇映画 孤独のグルメ (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 4
本作をスープに喩えるならその出汁は……?
堂々たる初監督作だと思う。松重豊。当然主演も。そして何と、脚本も書いている(共同執筆はTVシリーズの田口佳宏)。フランス・パリにてスープのレシピ探しを依頼され、国境を越えていき、メシも食らう。
てなわけで、この劇映画版をスープに喩えるならその出汁は、伊丹十三監督の『タンポポ』(85)だけでなく『深夜食堂』だろう。オダギリジョー、塩見三省も関係者で、松重さんは準レギュラー、タコ仕立ての赤いウインナーに愛着を持つヤクザを好演。特に松岡錠司演出の“人情の味”が本作にも。そうだ! 鑑賞後、食後酒的に未読の方には文庫版となった塩見さん著『歌うように伝えたい』の「松重豊 余白を思う」をオススメしておく。
お腹が空いちゃったのでこの映画の勝ちです
松重豊主演の深夜グルメドラマシリーズが10周年ということでまさかまさかの長編劇映画化です。誰が監督するのかと思ったらなんと松重豊本人がメガホンを取りました。まぁベターなチョイスかと思います。ドラマシリーズから見ていた人たちにとってはドラマパートが多すぎて、もっと食べてくれ!という思いもあるやもしれませんが、ドラマシリーズ弱者の私は見終わった後、素直にお腹が空いてしまいました。見ている者のお腹を空かせてしまったらこの映画の勝ちと言えるでしょう。映画の後のお食事処を探しておくのも良いかと思います。クロマニヨンズの主題歌がまたストレートで最高です。




















