映画ドラえもん のび太の絵世界物語 (2025):映画短評
国民的アニメの底力と強い原作愛
絵画がテーマだが、世界の名画が登場するのはオープニングのみ。主人公ののび太やドラえもんに強い動機がないせいか、中盤まではなかなか物語が弾まず、心沸き立つ場面も少なかったが、「ゴルゴンの首」と『絶滅の島』の宇宙怪物をかけあわせたような敵と戦う終盤のアクションはすさまじい。「ひらりマント」のせいで周囲に甚大な被害を及ぼしてしまう描写は思わず手を打った。ひみつ道具の使い方、のび太のパパが絵描き志望だった過去をさりげなく活かしているところなどに原作愛を感じる。とにかく美麗かつよく動く作画が最後まで続くことに国民的アニメの底力を感じたが、もう少し冒険の楽しさを感じたかったというのも正直なところ。
この短評にはネタバレを含んでいます



















