ADVERTISEMENT
小学生には助言・指導が必要

Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり (2023):映画短評

2025年1月31日公開 115分

Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

くれい響

『悲情城市』のトニー・レオンを想起させるウー・カンレン

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

台湾出身のウー・カンレンがマレーシア人のろうあ者を演じる。香港出身のトニー・レオンが『悲情城市』で台湾人のろう者を演じたときを想起させるが、トニーが一躍、世界に認められたように、ウーも本作で“ドラマ出身のイケメン”イメージから逸脱した。それだけ、彼の生命力を感じる芝居に引き付けられる。身分証を持てない兄弟に襲い掛かる運命はあまりにヘヴィで、いたたまれなくなる中、微笑ましい「ゆで卵」のエピソードが鮮烈な印象を残す。すでに『アバンとアディ』のタイトルで、ネトフリ配信中だが、映画館の暗闇で兄弟の日常を覗き見することで、より心揺さぶられることを約束する。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

渾身の演技がストレートな感動を誘う好例

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

台湾とマレーシア。主演2人の渾身の演技からは、両土地の“代表”というプライドがびしびし伝わってきて圧倒される。特に兄役のウー・カンレンは聾唖という設定から、感情を言葉で発せられない苦悶が、ある見せ場のシーンでは怒涛の渦のごとく観る者の心をかき乱す。俳優という仕事でひとつの試練を超えたようなパワーに感動しない人はいないだろう。
クアラルンプールのスラム街という舞台、および兄弟“として”成長してきた状況が、否が応でもエモーショナルな流れを作り出す。ところどころ思わず声を上げたくなるほど衝撃的な瞬間も…。観終わっての後味も人それぞれだろうが、そこが「映画」らしい。
香りや温度も伝わってくる映像も◎。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

人気の動画

最新の映画短評