異端者の家 (2024):映画短評
異端者の家 (2024)
物語が何層にも重なって押し寄せる
ヒュー・グラントが巧みに演じるサイコパスの嫌な感じをたっぷり味わうだけで見応え充分だが、実はそれだけではない、物語の重層的な構造が魅力。
監督&脚本は『クワイエット・プレイス』の脚本家コンビ。サイコパスに美少女2人が翻弄されるホラー映画でありつつ、奇妙な構造の家に閉じ込められる密室もので、犯人と犠牲者たちの駆け引きを描く心理ドラマでもある。そのうえ原題『異端者』に相応しく、個別の宗教とは関係なく、人間にとって"祈る"とはどういう行為なのかを真摯に問いかけてくる。そして、それに対する答も示す。撮影は『お嬢さん』のチョン・ジョンフン。最後に現れる光景に胸を突かれる。
この短評にはネタバレを含んでいます