花緑青が明ける日に (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
“抵抗の詩”として打ち上がる独自の美
映画言語の更新を感じさせる作画の素晴らしさ。水彩調の淡い層が世界を染め、輪郭を鮮やかに塗り替えていく。監督の四宮義俊が日本画家として培ったまなざしを、光と風の粒子にまで浸透させたアニメーションだ。
毒を孕んでなお青く燃える花緑青のように、若者たちの夢は危うく美しい。再開発に揺れる海辺の町で、伝説の花火“シュハリ”(守破離)を追いかけるその姿は、アートが世界を変える瞬間の祈りそのもの。創造の痛みと輝き。四宮が手掛けた「冒険者~森の勇者~」MVの余韻を継ぐように、夜空へ放たれる一発の光が未来の扉を静かに開く。日仏共同で参加したMiyu Productionsの最新の成果としても注目したい。
独創性を追求し、アニメならではの表現で冒険も
日本画家としての監督の才能を頭に入れながら接することで、多くのアニメとは異なる色彩のバランス、背景の淡い美しさ、人物に反射する光の表現に目を見張らせる。
高低差を強調したカメラワークの心地よさ、人物配置の独特の構図、メロウな空気感、ディテールへのこだわりなどアニメーションならではの魅力も随所で光ってる。実写やストップモーションも駆使した冒険心もスパイス的に作品にうまく溶け込んだ印象。原作モノやシリーズとは一線を画すプレシャス感が備わり、こうした作品のヒットが望まれる。
ストーリー自体はコンパクトなので、どこに感情移入できるかは人それぞれか。セリフが堅実な分、もう少し深い感情に浸りたかった気も。






















