DREAMS (2024):映画短評
ライター2人の平均評価: 4
3つのテーマがどこかで繋がっている
ノルウェーの監督ダーグ・ヨハン・ハウゲルードが、オスロを舞台に描く3部作『DREAMS』『LOVE』『SEX』は、ストーリーは独立しているが、タイトルが示す3つのテーマが、どこかで繋がっていて切り離せないことが伝わってくる。『DREAMS』が主人公の一人称で、他の2作が登場人物たちの対話で描かれるのもテーマに沿ったもの。彼らがそれぞれ自分の気持ちを率直に語るので、自分ならそれにどんな言葉を返すだろうかと彼らと対話してしまう。
3作ともオスロの街を見渡す大きな風景が何度も挿入され、彼らのような人々がどこにでもいることを感じさせる。北欧の光が常に透明で、色彩は明るく、空は晴れている。
ノルウェー発、「対話」をめぐる傑作トリロジーの出色の一本
“ベルイマン×ロメール”といった趣の対話劇が並ぶ『オスロ、3つの愛の風景』。この中でも頭一つ抜けているのが、最も複合的な要素を持つ『DREAMS』だ。17歳の女子高生ヨハンネの饒舌な独白=ナレーションが物語進行の基本線となり、60歳のハウゲルード監督は太宰治『女生徒』ばりの冴えでテキスト化。彼女の初恋から巻き起こる珍騒動がメインで、そこに母親と祖母、三世代のレイヤーで意見と思索が絡む。
愛や性に加えて「書く」ことが中心的な主題。表現の加害性や商業化についてなど、異なる価値観がぶつかり合う様を軽やか&前向きに描く豊かな世界だ。母親と祖母による『フラッシュダンス』論争はある種本作のハイライト!





















