プロセキューター (2024):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.3
武闘派検事ドニー・イェンが悪人どもを蹴散らす!
いくら犯罪者を逮捕しても、法律の抜け道を悪用され野放しとなってしまう。警察の仕事に限界を感じた凄腕の元刑事が、検察官へ転職して巨大麻薬組織に挑んでいく。一応、実際にあった事件をヒントにしているそうだが、しかし良くも悪くも実録物的なリアリズムはなし。腕に覚えのある武闘派の検事が、超人的なカンフー技と法律の知識を駆使して悪人どもを蹴散らすという、ドニー・イェン流の格闘系クライム・アクションに仕上がっている。無数のチンピラが一斉に主人公へ襲い掛かる様子を、ドローン撮影した大掛かりなモブ乱闘シーンは圧巻!正義や真実がなおざりにされ、検察のメンツをかけた勝敗ゲームと化した裁判への批判も共感できる。
新旧入り混じった香港キャストにも注目!
ジャッキー・チェンが戦う弁護士を演じた『サイクロンZ』、ユン・ピョウが戦う検察官を演じた『検事Mr.ハー/俺が法律だ』に続き、今度はドニー・イェンが戦う検察官を演じるという、香港アクション映画史の流れを踏まえておくと、より楽しめる一作。『イップ・マン』シリーズの製作チームだけに、中国大陸の検閲を考慮したブレない作りだが、その中でいかにムチャするかを熟知しているのもポイント。新旧入り混じったキャスト陣も、ラストバトルが繰り広げられる地下鉄車内など、明らかに香港映画な仕上がりで、「HiGH&LOW」『はたらく細胞』など集団戦を得意とする大内貴仁によるアクション設計も見どころ。
最強検事ドニー・イェン大暴れ!
これぞ史上最強のリーガルアクション! 刑事から検察官に転職したドニー・イェンが、群がる敵を蹴散らしつつ、法廷でも八面六臂の大活躍を見せる。検察官の立場にこだわらず、フェアな姿勢で真実を探求して、社会的弱者である被告のために立ち回る主人公は、非常に現代的なヒーローだ。頑迷な裁判長のマイケル・ホイ、敵か味方かわからない次長検事のフランシス・ンをはじめ、脇を固めるキャストも良い。もろん、アクションも格闘もド迫力で、スカッとできる。実話がベースということで驚いたが、麻薬事件に巻き込まれた青年を悪徳弁護士たちが利用したという事件を元にしているだけで、本当にあんな強い検事がいたわけではないらしい。






















