ペンギン・レッスン (2024):映画短評
心温まる話に当時の暗い政治状況をミックス
監督は「フル・モンティ」のピーター・カッタネオ、脚本は「あなたを抱きしめる日まで」、「僕たちのラストステージ」でスティーブ・クーガンと組んだジェフ・ホープ。この人たちなら心温まる人間ドラマになるのは確実。だが、1976年のアルゼンチンが舞台とあり、軍事独裁政権下の厳しい状況も、原作の回顧録以上に盛り込んだ。そこは主人公ミッチェルの個人的ジャーニーの一部となるのだが、深刻なテーマだけに、やや都合の良いラストも含め、扱い方には意見が分かれるかも。生徒のせりふにも出てくるようにペンギンはメタファーで、メッセージのある物語。クーガンの抑えた演技が、説教くさくない、受け入れやすい映画にしている。
この短評にはネタバレを含んでいます





















