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ブラックフォン 2 (2025):映画短評

2025年11月21日公開 114分

ブラックフォン 2
(C) 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

轟 夕起夫

マニアックで終わらずに、楽しくヤバさを加速させている 

轟 夕起夫 評価: ★★★★★ ★★★★★

一体、どういう法則性でこの時空が歪んだ世界が成立しているのか、よく分からんが、前作から成長した兄が部屋に『The Thing That Couldn't Die』(58)なんて(やはり超時空の)B級ホラーのポスターを張っているから不問に付す。相変わらず、連続殺人鬼グラバーに扮したイーサン・ホークもノリノリだし。

そのグラバーが凍湖を滑って襲いかかってくるシーンはデリクソン監督、カナダ産のスラッシャー映画『CURTAINS』(83)、日本ではビデオスルーの、邦題『肉欲のオーディション/切り裂かれたヒロインたち』の一場面を引用。が、単なるマニアで終わらず楽しくヤバさを加速させているのでオーライ!

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

同じことを繰り返さなかった心意気は評価

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ヒットしたオリジナルと同じことを繰り返さないという心意気は良い。ただ、その分、シンプルな楽しさが失われた。より凝ったストーリーは、必ずしも効果を発揮していない。妹グウェンの悪夢で恐怖を盛り上げようとするも、ある時点から「もうわかった」という気になってくる。「エルム街の悪夢」を思い出させるが「エルム街の悪夢」ほど怖くないのだ。前作ではメイソン・テムズが大ブレイクを果たし、今や彼はこの世代の注目のスターとなったが、続編で見せ場があるのはグウェン役のマデリーン・マックグロウ。肉体的、感情的に多くが必要とされるシーンを、200%を投じて演じ切っている。16歳の彼女のこれからが楽しみ。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

思いがけず感動する大ヒット・ホラーの続編

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 前作から4年後、高校生となったフィニー少年と妹グウェン。いまだ連続殺人鬼グラバーのトラウマに囚われた2人は、死者の声に導かれて雪に閉ざされた真冬のキャンプ場へ。電話ボックスの黒電話が不気味に鳴り始め、かつてここで起きた連続少年失踪事件の背後にグラバーの存在が浮かび上がる。これは単なる続編というよりも、前作とのセットで成立する2部作の後編という印象。死者との対話ツールという黒電話の役割に、今回はさらにエモーショナルな意味が与えられ、ラストは思いがけず号泣させられる。’80年代スラッシャー映画群からの引用もマニアには楽しみな点だが、中でも「13日の金曜日」と「エルム街の悪夢」からの影響は濃厚だ。

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相馬 学

映画もキャラクターも、前作から正しく成長

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ジェイソンやフレディのように、殺人鬼グラバーも不死身の存在となったのだろうか!? いやいや、そこまで単純なSF設定にもたれかかった続編ではない。

 前作から4年を経て成長をした子どもたちだが、あのときのトラウマを拭い去るのは容易ではない。そのトラウマの象徴としてグラバーは姿を現わす。前作の恐怖感を都合よく利用するのではなく、その延長線上に彼を置いた、正しい続編と言えよう。

 原作者ジョー・ヒルが、今回は続編のアイデアを持ち込んだとのこと。ヒルの父スティーブン・キング原作の『IT/イット』等に通じる恐怖と思春のジュヴナイル感覚も健在で、観ていて嬉しくなる。

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斉藤 博昭

過剰さは前作超えも、氷の湖で子供たちの無念さが静かに際立つ

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

基本的に前作を引き継いだ設定なので、時空も超える黒電話の不思議な力に、すんなり入り込めるはず。今回は子供たちの無念さが最大ポイントで、『スタンド・バイ・ミー』から「IT」あたりまで、いろいろとシンクロを感知しながら観てしまった。アクションの怒涛感、衝撃ビジュアルという点で前作より明らかにヒートアップしつつ、声だけでも通じ合える関係性が、より切ない感動を呼び起こすのでは? 
ピンク・フロイドの「ザ・ウォール」の名曲が、大人の身勝手な犯罪に巻き込まれた子供たちの悲壮感に見事に重なっていたり、演出も怠りナシ。

イーサン・ホークは、もはや彼じゃなくてもいいのに、しっかりと再登板する心意気に敬服する。

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平沢 薫

正攻法の続編に、サプライズをプラス

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 思えば最初から、前作の連続殺人犯グラバーは、"マスクをした連続殺人鬼"の系譜に連なる存在だった。それがくっきり見えてくるのが、この続編。彼の先駆者たちが生まれた、1970年代後半~1980年代初頭のホラー映画の定番アイテムが続々登場。そもそも舞台は、湖の近くのキャンプ場だ。

 そういう映画でありつつ、前作を真っ直ぐ引き継ぐ正攻法の続編。時期は、前作の4年後。中心人物は前作と同じ、殺人鬼から逃れた少年とその妹。壊れているはずの電話、行方不明の少年たちという要素も、前作と同じ。そして、前作の背後に隠されていた意外な事実が浮かび上がってくる。兄妹愛がもつれつつ続いているのも胸が熱い。

この短評にはネタバレを含んでいます
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