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ウォーフェア 戦地最前線 (2025):映画短評

2026年1月16日公開 95分

ウォーフェア 戦地最前線
(C) 2025 Real Time Situation LLC. All Rights Reserved.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

なかざわひでゆき

当事者が描く戦争の地獄とアメリカ帝国主義の欺瞞

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 2005年のイラク、米海軍特殊部隊「シールズ」の小隊が、監視活動のため民間人の家を占拠するものの、あっという間にバレて周りを敵に包囲されてしまう。映画のベースになったのは、実際にシールズのメンバーとしてイラク戦争へ派遣された共同監督レイ・メンドーザや元兵士らの実体験。ハリウッド映画的なヒロイズムやご都合主義の一切を排し、文字通り地獄のような戦争の最前線へと観客を放り込む。なんと恐ろしくも惨たらしいことか!と同時に本作は、手前勝手な大義名分を振りかざしてよその国を土足で踏み荒らすという、今も昔も変わらぬアメリカ帝国主義の欺瞞をも浮き彫りにする。極めてタイムリーな反戦映画と言えるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

「戦争を美化しない」ポリシーが徹底されている

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

ガーランド監督が「シビル・ウォー」の製作中に軍事アドバイザーのメンドーザの経験談を聞くことから生まれた今作は、言わば二部作の片割れ。「戦争を美化しない」というポリシーは前作以上に貫かれている。観客は戦争のまっただなかに投げ込まれ、戦士らと共に予想のつかない究極の状況を体験することに。余計なお涙シーンや回想シーンは一切なし。現実でそんな暇はないのだから。本人たちに敬意を捧げつつ、特訓をこなして肉体的にも精神的にも厳しい撮影に挑んだキャストに拍手。脚本の流れ通りに撮影されたのはプラスだったはず。それにしても、こんなことが自国の若い軍人に起きていた20年前、アメリカはどこまで注意を払っていただろう?

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

映画の常識をも壊す戦闘のカオスは全身が固まるほど

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

実際にイラク戦争に参加した隊員による証言を映像化しただけあり、全編カオス状態。「映画だからこう見せよう」という演出が極力排除されたスタイルに戸惑う人もいるだろうが、その戸惑いこそが本作の狙いだろう。
全面包囲された小隊が、外部の状況、救援の進捗など見えてこない焦燥感。瀕死の重傷を負った兵士がどんな精神状態になるか。どれだけ姿勢を動かさず銃を構え続けるのか…など克明に描写され、観ながら呼吸が止まりそうな瞬間が何度も。
一方でトランプ政権の今のアメリカを考えると、別の感覚がせり上がってくるのも事実。結局、イラク戦争の「大義」が、現地の人も含めて不要な犠牲を出したわけで、そこも必見のひとつの理由に。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

"音"が、その場を体感させる

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 イラク戦争下の2006年、イラクの市街地の民家で視察任務にあたる米軍特殊部隊の8人が、そこで何を体験したか。それを"音"で描く。何も起きていない時の、静寂が圧力を増していく気配も耐え難いが、戦闘が起きると何かを考える暇がない。無数の音が聞こえるが、何の音か判別できない。急に音が聞こえなくなるのは、鼓膜に何かが起きたのか。少しずつ音が聞こえてくるが、負傷者の叫び声が凄まじくて他の音は聞きとれない。

 共同監督・共同脚本コンビは『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の監督アレックス・ガーランドとスタントコーディネーターのレイ・メンドーサ。メンドーサ自身の戦争体験を、"そこにいる感覚"として描く。

この短評にはネタバレを含んでいます
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