君は映画 (2026):映画短評

2026年6月19日公開 68分

君は映画
(C) ヨーロッパ企画/トリウッド 2025

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

大山くまお

映画がテーマだけど小演劇的

大山くまお 評価: ★★★★★ ★★★★★

二つの映画がスクリーンを通して結ばれる「シネマティック・マルチバース」というアイデアはユニークだが、どこまでも小演劇的想像力で埋め尽くされた小品。「映画」がテーマなのにストーリーも演技も演出も小演劇的で、映画であることを感じさせなかった。伊藤万理華と井之脇海のふたりの主人公が、あらかじめ決められたストーリーを変えるために戦わず、傍観者的な立場のままでいるのは、(意図しているのか意図していないのかはわからないが)とても現代的だと思った。下北沢が舞台だが、本当にツルッとしたつまらない街になってしまったんだなぁ、ということがよくわかる。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

ややこしく高難度になりそうな設定を、軽やかに、等身大で

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

劇場で観てる映画の中の人が話しかけてきて…と、一瞬『カイロの紫のバラ』を思い出させつつ、映画の側も、こっちの客席を「映画」として鑑賞してる設定が斬新。アクション大作で流行の「マルチバース」を使っているので、下手をしたら高難度の展開も、同じ座組による前2作と同様、日常と地続きの世界に、軽やかに、すんなり、お気楽に入り込める。
辻褄合わせはしっかり計算されているし、「シナリオどおり強いられるか」、「自分で運命を変えられるか」の葛藤も、映画らしい盛り上がりをフォローする。
前作『リバー、流れないでよ』に比べると、こぢんまりしてる感は否めないが、アイデアひとつで映画はいくらでも新しくなる希望は継続中。

この短評にはネタバレを含んでいます
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