ぼくの名前はラワン (2022):映画短評
ライター2人の平均評価: 4
不寛容で排他的な今の時代にこそ観たい作品
障害者差別の激しい祖国イラクからイギリスへやってきたクルド人難民のろう者の少年・ラワンの成長を追ったドキュメンタリー。世界で耳が聞こえないのは自分一人だと思い込み、自分の名前は「ポンコツ」だと思っていて、この地球のどこにも自分に居場所がないと感じ、他の星へ引っ越したいと思っている。子どもがそんなことを思うなんて、そんな悲しい話があるだろうか。だけどラワンは手話という自分の言語を獲得し、仲間を得て、苦難の末に居場所を見つける。そして、そこには必ず手をさしのべてくれる並走者がいた。不寛容で排他的な言葉と態度が大手を振って歩く今の時代に観ておきたい作品。
障害者と難民を取り巻く諸問題を描く感動ドキュメンタリー
イラクからイギリスへ移住した「聾者」のクルド人少年ラワンを取材したドキュメンタリーである。生まれつき耳の聞こえないラワンは、障害者福祉の概念がないに等しいイラクでは「家から外へ出すな」と言われ差別され、息子の将来を案じた両親は難民として亡命を決意。イギリスの聾学校で初めて手話を覚え、初めて同年代の聾者と接したラワンは、持ち前のコミュ力と知性を発揮して別人のように明るく聡明な少年へと成長する。当事者にとっても周囲にとっても「教育」は大切だと痛感。さらに、強制退去の憂き目に遭ったラワンの一家を、地元住民や聾学校教師らが全力で助けんとする姿も胸を打つ。弱者に手を差し伸べる。それは文明社会の基本だ。





















