マスターズ・オブ・ユニバース (2026):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.3
正しく、21世紀のヒーローアクション!
ドルフ・ラングレンが主演した1987年版と同じノリになるのはどうかと思っていたが、そこは『バンブルビー』で青春映画とコメディのセンスを見せつけたT・ナイト監督。単なる英雄談ではない、独自の面白さが宿る。
異星の王子も地球ではただの若者。いや、異星から来たことを公言するのだから、アブナい人と思われるのも当然で、人間目線でそれを描いているからユーモアも生じる。そんな主人公の覚醒が成長劇と重なり、説得力を帯びる。
それだけにクライマックスは痛快で、21世紀の正しいヒーローアクションを観た感あり。青二才的な雰囲気を漂わせつつも、筋骨たくましく存在感のあるN・ガリツィンの妙演も味。
冒頭は既視感たっぷりも、だんだんと楽しくなっていく!
異世界「エターニア」での権力バトルの出だしこそ、最近のCGアクション大作で観飽きた光景に「またか」と冷静になるも、地球(アメリカ)のシーンに切り替わると、成長した主人公アダムの等身大キャラ、やや脱力系な魅力、そして周囲の人物の妙に変なテンションの芝居が、いい意味でのズレた青春ムービーのノリになり心から楽しめた。
再びアダムがエターニアに戻っても要所でズッコケたネタが挟み込まれ、どんどん彼を好きになってしまうマジックが働く。ムキムキ筋肉に目が行きがちなニコラス・ガリツィンの軽妙演技の才こそ本作の肝。
ブライアン・メイが参加したことで、クイーンのサウンドを彷彿とさせるスコアも気分を盛り上げる要因。
大人の観客もすんなり入って楽しめる
トラヴィス・ナイト監督は子供時代に、本作の原作である1981年の米マテル発売の玩具とそれが題材のTVアニメのファンだった。だからだろう、「当時それに熱狂して、今は大人になっているかつてのファン」と「初めて見る子供たち」の双方に届ける方法が考え抜かれて、見事に実現されている。
基本設定や異世界やクリーチャーのデザインは、玩具とアニメの原点を尊重しつつ、派手さをアップ。そのうえで主人公の設定をかなりアレンジ。こちらの世界で育ち、困った行動をして周囲に笑われたりもする人物なので、大人の観客も赤面せずに笑いながら見ることが可能。そしてそのまま、古典的な英雄と悪者の世界にすんなり入って楽しめる。






















