FEVER ビーバー! (2022):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.7
21世紀に爆誕した(ほぼ)無声映画の快作!
つくりは無声映画風だが、古臭さとは無縁どころか、このワクワクする感覚はなんなんだ!?
セリフはほぼなしで映像はモノクロ、音の刺激は音楽オンリー。登場する動物はすべて着ぐるみで合成もチープだが、スピーディな映像はそれらにツッコむ余地をあたえない。むしろ即効ギャグとして笑わせるほどにアップテンポだ。
バスター・キートンから多大な影響を受けていると監督は語るが、それも納得。「トムとジェリー」をサム・ライミが撮ったような奇抜なコメディセンスが随所に炸裂し、笑いっぱなしで駆け抜ける108分。とりわけ、ビーバー帝国の全容がみえるクライマックスはアクションとギャグの連打で手に汗握った。スゴい!
もしも、ガイ・マディン監督がカートゥーンを実写化したら?
都内の輸入盤ショップにて、入荷と品切れを繰り返していたのも納得の映画マニアにとって大発見!な一本。モノクロ映像で捉えた、ザ・着ぐるみな動物たちと身体を張ったおっさんが繰り広げるスラップスティックな攻防戦。サイレント映画に対するオマージュもありながら、ガイ・マディン監督のテイストで「トムとジェリー」などのカートゥーン・アニメを実写化しました感が強し。ただ、実験映画というより、ムリゲーなRPGノリに、手作り感でキュートなグロ描写、『カリオストロの城』を想起させる終盤のビーバー王国に至るまで、子どもも飽きさせない構成は評価したいところ。応援上映向きかも?
とんでもないところまで連れて行かれる
モノクロでセリフのない古風なコメディ映画に、商店街のバーゲンセールでチラシを配っているような安っぽい動物の着ぐるみを掛け合わせたら----そんな奇想は、いったいどこからやってくるのか。
雪が積もった冬の森の白さを背景に、登場キャラたちの姿を際立たせ、主人公と着ぐるみ動物たちの攻防戦は、最初は思った通りのユルさで始まるが、それがエスカレートしていくスピードと規模が想定外。最後はとんでもないところまで連れて行かれる。
それにつけても、このテイストは何なのか。いわゆるバチアタリ映画とは違い、爆笑モノだがドライではなく、どこか愛らしさのようなものがほのかに漂ってくる。























