さとこはいつも (2026):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.7
日常が退屈だなんて、とんでもない!
ルーティンを重ねると、人は退屈な毎日を過ごしていると思いがちだが、本当にそうだろうか? 案外そうでもないのでは? そんなことを思わせる好編。
沖田修一監督の持ち味である温かいユーモアを漂わせつつ、世代の異なる女性3人の日常を描写。文章表現への興味から日常が変化していく彼女たちの“気づき”に本作の深みが宿る。
有村架純と石田ひかりの安定感は今回も光るが、オーディションで選ばれたという新人、姫野花春の突き出た個性が肝。最初のエピソードで悩みや迷い、思い切りの良さを体現し、作品のトーンを決定づけた彼女の存在感があるからこそ、先輩ふたりも生きた。
自分の物語を書く=人生をどう生きるか、を軽やかに教えてくれる
文章を書くことは誰にでもできる。本作は、何かに背中を押され、書くきっかけを掴んだ喜びが描かれ、映画を観た人に「自分の物語を書きたい」と勇気づけることに意義があるし、未来の自分がどう生きるべきかを示唆する可能性も。3人の「さとこ」は年代も分かれ、観る人それぞれが、3人の誰かに自分の人生を重ねられるかと。
3人の描き方は並列的で、微妙にシンクロするポイントが発生する構成だが、中学生の聡子のパートが分量も多く感じるし、書くことの根源に繋がってるし、演じた姫野花春が突出したインパクトを残すし……で全体のバランスには違和感も。
映画業界のリアルな舞台裏は、ふだん映画をよく観る人なら、かなり楽しめるはず。
三世代に渡る女優の魅力が爆発!
これまでハズレ知らずの沖田修一監督作だが、デビュー20周年記念作となる本作も、御多分に漏れず。ときにブラック、ときに微笑ましい独特な笑いのセンスを炸裂しつつ、ありそうでなかった『マグノリア』的な群像劇を展開させていく。『お引越し』における田畑智子級のインパクトを残す姫野花春に、映画配給会社あるあるをすっとぼけた芝居で魅せる有村架純に、旦那役に筒井道隆を迎えた“その後の「あすなろ白書」ヒロイン”のような石田ひかりという、三世代に渡る女優の魅力が爆発! オダギリジョーなど、助演陣の使い方も見事ということで、138分という長尺も気にならない沖田ワールドをじっくり堪能させてくれる。

















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