前情報を入れず、激烈極まる映画体験を味わってほしい

タイトルが示すように、基本設定は中学生の娘が失踪した父親を「さがす」物語。その原因に迫るべく、時間をさかのぼる展開は、この手の作品として意外性はない。
しかし、父娘以外のもう一人の重要キャラが本筋に侵食してきたとたん、とてつもなくドラマが暴走し、いい意味での異常な世界へと突入していく。サプライズを味わうためにも、これ以上の情報は入れずに作品に向き合ってほしい。
人間の不条理、社会問題まで取り込んで、これほど激烈サスペンスに仕立てた監督の才能には敬服。
俳優では、独特のひょろっとした体躯に謎と狂気をまとわせ、朝ドラ「おかえりモネ」などと同一人物とは思えない清水尋也にノックアウトされた。