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東京2020オリンピック SIDE:B (2022):映画短評

東京2020オリンピック SIDE:B (2022)

2022年6月24日公開 124分

東京2020オリンピック SIDE:B
(C) 2022-International Olympic Committee- All Rights Reserved.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

清水 節

セレモニー演出をめぐる伝統か広告かの対論こそ深掘りすべき

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

インタビューが断片的に紡がれ、全てはコロナ禍に翻弄された関係者の混乱と奮闘に収斂していく。セレモニー演出をめぐる野村萬斎と佐々木宏の「伝統」か「広告」かの対論は有意義だが、深掘りせず放り出され、肥大化した五輪が抱える闇の本質に迫る機会も未消化のまま。但し主役2人の“誠意”に尺が割かれる。不意を突き反対派に対話を持ちかけたり、非難の声を背景に広島慰霊を強行するバッハと、舌禍に基づくメディアの五輪総攻撃をかわすべく、辞任を英断する森喜朗。権力者を対象化せず寄り添う視座に目を覆う。収録5000時間には決定的瞬間が眠っているはず。2部作4時間をサマリーとし完全版10時間DVDで汚名挽回してはどうか。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

野村萬斎の表情など知られざる瞬間、強烈な皮肉も盛り込み…

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

ニュースで目にすることのなかった一瞬の人々の表情に、秘められた強烈な思い、困惑、混乱がにじむ。このあたり、ドキュメンタリーとして秀逸。当時の首相の言葉が明らかに空疎だったり、開会式演出チームの迷走など、巨大イベントへの反省点も随所から伝わる。裏方の苦闘と実際の競技の重ね方も考え抜かれ、「SIDE:A」より競技自体の記憶が甦ってきた。
ただ、最も知りたかった核心部は既視感のある映像で深く切り込んではいかず、観終わったとき、どこかぼんやりとした印象が残った。反対派も単なる背景で終わる。あの一連の出来事の「意味」、そのヒントだけでも受け取りたかった。そして藤井風、むしろこちらで流してほしかった気も。

この短評にはネタバレを含んでいます
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