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「状況」に没入させる2DのVR実験が、映画の可能性を拡げた

2017年9月15日 清水 節 ダンケルク ★★★★★ ★★★★★

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ダンケルク

 一貫して画の威力と音の効果で押しまくり、「物語」ではなく、死地からの脱出を懸けた「状況」に没入させる。顔の見えぬ相手には敵意すら湧かず、秒針音をサンプリングした音響によって焦燥感はマックスとなり、純粋に生き延びたいという切実さだけが募る。ノーラン映画の「時間」――『メメント』の逆行、『インセプション』の侵入、『インターステラー』の抵抗。本作では、陸海空のスパンの異なる時間軸を交差させた。視点と時間の魔術により、タイムリミットという真の敵に怯えながら、浜辺を逃げ惑い、海中に沈み、空を舞う。IMAXを駆使し、2DでVR効果を体感させて映画の未知なる可能性を押し広げる壮大な実験は、実に刺激的だ。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家/クリエイティブディレクター●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」出演●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書: 「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●映像制作: WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞(芸術番組部門)、ギャラクシー賞(奨励賞)、民放連最優秀賞(テレビ教養番組部門)受賞

近況:●「シン・ウルトラマン」劇場パンフ執筆●ほぼ日の學校「ほぼ初めての人のためのウルトラマン学」講師●「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」劇場パンフ取材執筆●特別版プログラム「るろうに剣心 X EDITION」取材執筆●「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●「TSUBURAYA IMAGINATION」編集執筆

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