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第72回カンヌ国際映画祭(2019年)コンペティション部門21作品紹介(3/3)

第72回カンヌ国際映画祭

『メクトゥーヴ、マイ・ラブ:インターメッツォ(原題) / Mektoub, My Love : Intermezzo』

Mektoub, My Love : Intermezzo

製作国:フランス、イタリア
監督:アブデラティフ・ケシシュ
キャスト:シャン・ブームディンオフェーリ・ボー

【ストーリー】 若手脚本家のアミンが、夏の間、友人たちのいる故郷の浜辺の町に戻ってくる。幼なじみのオフィリーは結婚を控えていたが、トニーとの情事で妊娠していた。休暇で同地に来ていた18歳の女学生マリーも加わり、ナイトクラブでの濃厚な一夜が幕を開ける。

【ここに注目】アデル、ブルーは熱い色』でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞したアブデラティフ・ケシシュ監督による、3時間半に及ぶ大長編。2017年のベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品した『メクトゥーヴ、マイ・ラブ:カント・ウノ(原題) / Mektoub, My Love: Canto Uno』の続編で、1990年代のフランスを舞台にしている。シリーズは3部作となる予定。

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『ソーリー・ウィー・ミスト・ユー(原題) / Sorry We Missed You』

Sorry We Missed You
(C) Joss Barratt

製作国:イギリス、フランス、ベルギー
監督:ケン・ローチ
キャスト:クリス・ヒッチェンデビー・ハニーウッド

【ストーリー】 2008年のリーマン・ショックによる世界的な不況で、借金がかさみ返済に苦しんでいるターナー家。父リッキーはなんとか巻き返しを図るため、思い切って新しいトラックを購入。ドライバーとして自営の運搬業をスタートさせる。

【ここに注目】 カンヌ国際映画祭常連の社会派監督ケン・ローチの新作は、現代イギリスを舞台にデリバリー業で再起を目指す家族の物語。『ナビゲーター ある鉄道員の物語』に端役出演だったクリス・ヒッチェンがリッキー役で主演。パルムドール受賞作『麦の穂をゆらす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』を執筆した脚本家ポール・ラヴァーティと今回もタッグを組む。ローチ監督の3度目の最高賞となるか。

『ア・ヒドゥン・ライフ(原題) / A Hidden Life』

A Hidden Life
(C) Iris Productions

製作国:アメリカ、ドイツ
監督:テレンス・マリック
キャスト:アウグスト・ディールミカエル・ニクヴィスト

【ストーリー】 第二次世界大戦中、オーストリア人の農夫フランツ・イェーガーシュテッターはヒトラーの思想に逆らい、ナチスの徴兵を拒否するが、これにより、妻や子どもたちを残して投獄されてしまう。

【ここに注目】ツリー・オブ・ライフ』でパルムドールに輝いた、生ける伝説マリック監督の戦争ドラマ。『マルクス・エンゲルス』などのアウグスト・ディールがイェーガーシュテッター役で主演し、36歳の若さで処刑された実在の農夫の姿を描く。2017年に他界したミカエル・ニクヴィスト(『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』)や、今年2月に逝去したブルーノ・ガンツ(『ヒトラー ~最期の12日間~』)らが共演。

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『ザ・ウィスラーズ(英題) / The Whistlers』

The Whistlers

製作国:ルーマニア、フランス、ドイツ
監督:コルネリュ・ポルンボイュ
キャスト:ヴラド・イヴァノフカトリネル・マーロン

【ストーリー】 カナリア諸島のゴメラ島に到着したルーマニアの警察官クリスティ。囚人ジョルトの脱獄を手伝うため、クリスティはそこで“口笛言語”を学び始める。

【ここに注目】 ルーマニアの俊英コルネリュ・ポルンボイュ監督が、スペイン・カナリア諸島を舞台に描くクライムコメディー。2006年には『A Fost Sau N-A Fost?』でカメラドール、2009年には『Politist, adjectiv』である視点部門審査員賞、そして2015年には『トレジャー オトナタチの贈り物。』である視点部門のある才能賞に輝いた、本映画祭と縁の深い監督の躍進に期待がかかる。

『フランキー(原題) / Frankie』

Frankie
(C) 2019 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions

製作国:フランス、ポルトガル、ベルギー、アメリカ
監督:アイラ・サックス
キャスト:イザベル・ユペールマリサ・トメイ

【ストーリー】 ポルトガル・リスボン近郊にある、美しい世界遺産の街シントラ。3世代の登場人物たちは家族でのんびり休暇を過ごしていたが、ある出来事をきっかけに互いの心に根深く残っていたわだかまりが爆発する。

【ここに注目】ピアニスト』『エル ELLE』などのフランスが誇る名女優イザベル・ユペールが主演。彼女が、これまでのどの作品とも違う演技で新境地を開いたという新作は、家族が直面するドラマティックな1日を描く。共演はマリサ・トメイ、ブレンダン・グリーソングレッグ・キニア。『あぁ、結婚生活』『人生は小説よりも奇なり』などで知られる監督アイラ・サックスがメガホンをとり、今回初めてコンペティション部門に選出された。

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

製作国:アメリカ、イギリス
監督:クエンティン・タランティーノ
キャスト:ブラッド・ピットレオナルド・ディカプリオ

【ストーリー】 チャールズ・マンソン率いるカルト集団による「シャロン・テート殺害事件」が起きた、1969年のロサンゼルス。落ち目のテレビ俳優リック・ダルトンと長年の彼のスタントマン、クリフ・ブースはハリウッドでの再起を仕掛ける。

【ここに注目】 パルムドールを獲得した『パルプ・フィクション』から25年となるクエンティン・タランティーノ監督の最新作。レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピットのダブル主演に加え、マーゴット・ロビーが女優シャロン・テートを、そして意外にもタランティーノ監督とは初タッグとなるアル・パチーノが実在の映画プロデューサー、マービン・シュワルツを演じる。ほかにもダコタ・ファニングティム・ロスカート・ラッセルが豪華共演。

『シビル(原題) / Sibyl』

製作国:フランス
監督:ジュスティーヌ・トリエ
キャスト:ヴィルジニー・エフィラアデル・エグザルコプロス

【ストーリー】 セラピストのシビルは小説を書く時間を取るため、担当患者の数を減らすことを決意。しかし、ボロボロになった女優マーゴが駆け込んでくる。撮影中に主演男優の子供を妊娠したというマーゴの話は小説のインスピレーションとなり、シビルは黙って彼女を題材にした小説を書き始める。

【ここに注目】 監督のジュスティーヌ・トリエは長編劇映画2作目の『ヴィクトリア』が3年前のカンヌ国際映画祭批評家週間で上映され、3作目となるコメディー作品でコンペティション部門に初ノミネート。前作に続き、ヴィルジニー・エフィラが主演。『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロスやギャスパー・ウリエルといった、フランスの人気実力派たちの豪華共演が話題を呼びそうだ。

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