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のぼうの城 (2010):映画短評

のぼうの城 (2010)

2012年11月2日公開 145分

のぼうの城
(C) 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
相馬 学

こんなバカ殿に国政をお任せしたい!?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 東日本大震災の年に作られたため、当時は“水攻め”のシーンが津波を思わせてツラいとの声も聞かれた。そういう点では不遇な作品だが、普遍の面白さを持つ時代劇であるのも事実。

 平時は城外で農民と笑ったり踊ったりしている呑気なバカ殿が、戦時で劣勢を跳ね返してしまう奇跡。本作がスポットを当てるのは、その人間力ともいうべき一個人の魅力。城内でも外でも人と同じ目線に立てることに加え、本能的に他人の心をとらえる、そんな才がチャームと化す。

 バカ殿役の野村萬歳はクライマックスの肉体表現の上でも、これ以上にないキャスティング。平時ではない2020年に見ると、こんな為政者の存在が羨ましくなる!?

この短評にはネタバレを含んでいます
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