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セルビアン・フィルム (2010):映画短評

セルビアン・フィルム (2010)

2012年1月21日公開 104分

セルビアン・フィルム
(C) 2010 CONTRAFILM
なかざわひでゆき

史上最凶の胸糞映画を4Kリマスターの超高画質で

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 映画史上最も不快な作品のひとつとも称される胸糞映画が、まさかの4Kリマスター版でリバイバル公開。落ちぶれた絶倫ポルノ男優が、家族を養うため怪しげな仕事を引き受けたところ、権力者も関わるスナッフ映画の世界へと巻き込まれていく。前代未聞の「新生児ポルノ」をはじめ、レイプにペドフィリアにネクロフィリアと罰当たりな暴力的セックスが満載の本作だが、しかし数多のトーチャー・ポルノと一線を画すのは、それらが市民弾圧や民族紛争などの暴力に彩られたセルビア現代史のメタファーであること。戦前戦中の亡霊が不気味に甦りつつある昨今の我が国だが、本作はそんな「民族のトラウマ」を喚起して警鐘を鳴らす作品とも言えよう。

この短評にはネタバレを含んでいます
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