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スタンリーのお弁当箱 (2011):映画短評

スタンリーのお弁当箱 (2011)

2013年6月29日公開 96分

スタンリーのお弁当箱
(C) 2012 FOX STAR STUDIOS INDIA PRIVATE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.
中山 治美

インドの給食事件が起こった今こそ、あえてコレを観る。

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

 先ごろインドで給食に毒物が混入し、児童が死亡するという凄惨な事件が起こった。この給食は無料で、子供たちが労働の担い手となっている貧困層へ、登校を促すための福祉対策の一貫として行われていたという。また同国では、子供の栄養失調が深刻化しており、それを改善する目的もあるようだ。
 本作はまさに、そうした社会状況を内外に知らしめるべく製作された作品である。主人公スタンリー君の通う学校はちょっとリッチで、子供たちは弁当持参である。だがスタンリー君は昼食時間になると一人、教室を離れて水道水で腹を満たす日々。徐々に明かされる、スタンリー君の笑顔に隠された真実に涙せずにはいられない。
 スタンリー君の人生をさらにドラマチックにする横暴教師の登場など、勧善懲悪が明解なインドの娯楽映画ならではのあざとさもある。だが同級生がスタンリー君の状況を察して弁当を分けてあげるなど、心洗われるシーンの数々がこの映画の欠点をすべてを帳消しにしてくれるはずだ。
 ニュースの背景を知るために映画を観る。そんな目的で劇場に足を運んでみるものいかがだろう?

この短評にはネタバレを含んでいます
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