0.5ミリ (2013):映画短評
0.5ミリ (2013)安藤サクラの可愛さが只事ではない!
この安藤サクラ、最高! ふにゃっとした人懐っこさと高い介護能力でサヴァイヴする、しなやかでしたたかな“ジジイたらし”の女子。彼女の生態を見てるだけで196分が心地良く過ぎる。安藤桃子監督の前作『カケラ』は硬質だったが、姉妹タッグの今回は柔らかで弾力性のある映画だ。
居場所を失ったヒロインが様々な出会いを経るロードムービーの構造は、タナダユキ監督&蒼井優主演『百万円と苦虫女』に通じる。だがコミュニケーション術は真逆。『0.5ミリ』の魅力は動物的な本能に近い大らかさと色気が生命線だ。
これで戦争体験など大粒のモチーフが映画全体の語りにもう少しなじめば、とは思うが会心の秀作。坂田利夫師匠も男前!
この短評にはネタバレを含んでいます