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秘密への招待状 (2019):映画短評

秘密への招待状 (2019)

2021年2月12日公開 112分

秘密への招待状
(C) ATW DISTRO, LLC 2019

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

猿渡 由紀

オリジナルに忠実ながら微妙にニュアンスが違う

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

ストーリーはオリジナルのデンマーク映画に忠実で、セリフやシーンにも同じものが結構ある。だが、主人公ふたりを男性から女性に変えたことで、微妙にニュアンスが変わった。とくに、主人公のひとりが「秘密」を知った時のショックは、この場合、女性であるほうがより強く、罪悪感も深い。現代のニューヨークを舞台にする上で、一大ビジネスを築いた成功者を女性にしたのも、ふさわしいと言える。また、性別が違うことで、役者は、オリジナルのキャストと比較されることなく、より自由にアプローチできたのでは。オリジナルのミケルセンとラッスゴードはすばらしかったが、ムーアとウィリアムズも負けていない。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

オリジナルを観た人も、そうでない人も発見がある上質リメイク

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

オリジナル版のデンマーク映画が記憶に残っている人は、主人公2人の性別を変えた効果を随所に感じられ、同じ物語なのに完全に印象が変わるだろうし、未見の人には、この物語の深い味わいと「秘密」「嘘」のサプライズを初体験できる。要するにリメイクとしての成功作だと強く実感。
登場人物の行動や決断に、やや無理やりな印象もなくはないが、そこは演技賞常連の2大実力派女優の妙演でカバー。インドとNYのシーンを交錯させながら、主人公の一人、イザベルの母性がさまざまな方向へ揺らぐ感覚が、作品の芯として貫かれるのもポイント高し。NYに呼ばれたイザベルが受けるゴージャスなおもてなしが、観光映画として気分を上げてくれる。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

女優ジュリアン・ムーアの魅力が際立つ

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ジュリアン・ムーアの魅力を味わう映画。スザンネ・ビア監督の「アフター・ウェディング」のリメイクだが、主要登場人物を男性から女性に変更し、ムーアが演じる人物の個性を生き生きと描き出す。この人物の、仕事は出来るが部下への態度には問題のある上司で、その一方、夫と娘と8歳の息子たちを心から愛しているという複雑で強烈な人物像が魅力的。監督バート・フレインドリッチはムーアの夫であるだけでなく脚本に参加しており、彼女がどのような役を演じるときに魅力を発揮する女優なのかを熟知していて、それを存分に引き出したのではないか。夫役のビリー・クラダップの静かな物腰が、ムーア演じる人物の強さをさらに際立たせている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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