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オードリー・ヘプバーン (2020):映画短評

オードリー・ヘプバーン (2020)

2022年5月6日公開 100分

オードリー・ヘプバーン
(C) Sean Hepburn Ferrer (C) 2020 Salon Audrey Limited. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

なかざわひでゆき

オードリーの素顔に焦点を当てた入門編的ドキュメンタリー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 オードリー・ヘプバーンについてのドキュメンタリーは過去にも存在したが、本作は女優としてのキャリアよりもプライベートの素顔に焦点を当てているところが大きな特徴であろう。ナチス信者だった厳格な両親への複雑な想い、戦時中における深刻な飢餓と弾圧。この少女時代の強烈な体験が、彼女の人格形成に大きな影響を与えたであろうことは想像に難くない。つまり、愛情に飢えていたからこそ周囲に無償の愛を与え続け、戦争の悲惨さを知るからこそ人道支援に晩年を捧げたのだ。辛い経験をプラスのエネルギーに変える強靭さ。そこに強い共感を覚える。オードリー入門編として最適な一本と言えよう。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

“伝説”をスクリーンで振り返る歓び

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

日本ではビデオスルーのピーター・ボグダノヴィッチ監督作『ニューヨークの恋人たち』には触れられているが、映画ファンにはおなじみのエピソードばかりで、新たな発見やサプライズはない。とにかく、優等生で教科書的なドキュメンタリーであり、どちらかといえば「ハコネーゼ」新規向けだ。とはいえ、映画の神に愛されながら、父親の裏切りや2度の離婚など、愛される喜びを得られなかったオードリーが、やがて飢餓に苦しむ子供たちなど、世界中の人々に愛を与えていく……。そんな“伝説”をスクリーンで振り返る歓びは大きく、ルーニー・マーラが主演を務める伝記映画の前に予習しておくのもいいだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

伝説のスターの魅力と偉大さを伝える

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

黄金のスター、オードリー・ヘップバーンの偉大さを讃えるドキュメンタリー。名作のシーンを入れつつ、時系列で追っていくストレートなアプローチで、彼女の人生をざっくりと見られる、わかりやすくて楽しめる映画に仕上がっている。ただ、どこか浅い感じがするのも否めない。コメントをしている人の中には、彼女を監督したピーター・ボグダノヴィッチなどもいるが、彼女が死んだ後に生まれた孫娘や、彼女に会ったことがない伝記本の著者などもいて、どうも肉声という感じがしないのだ。長男も出てくるものの、彼が生まれる前の彼女や、大人同士として彼女をよく知る人の声をもっと聞きたかった。

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斉藤 博昭

その人生を振り返り、唯一無二のスターの輝きは永遠となる

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

映画史でも極めつけのスター、初の本格ドキュメンタリーということで、その人生や人々・社会に与えた影響を丁寧に追った印象。戦争体験による飢えや、ユニセフでの献身活動など、映画の彼女しか知らない人は鮮烈な驚きを味わえるし、ファンはその生涯をおさらいする喜びに満ちる。欲を言えばもっと深掘りしてほしかったが、麗しきイメージは今作で永遠に保たれた。
ジバンシィの元スタッフ、写真家アヴェドンの孫のコメントは、この偉大なスターの多方面な魅力を伝えて貴重。長男がいっぱい証言してるので、次男も出てきてほしかったが。
観終わって、代表作『ローマの休日』がセリフも含めて今この瞬間の世界情勢とリンクすることも改めて…。

この短評にはネタバレを含んでいます
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