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アイ・アム まきもと (2022) 映画短評

2022年9月30日公開 104分

アイ・アム まきもと
(C) 2022 映画『アイ・アム まきもと』製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

なかざわひでゆき

ユーモアとペーソスで描かれる孤独な人間の不器用な生き様

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 孤独死した人々を無縁墓地に埋葬する市役所勤務の男性・牧本は、自ら遺骨の引き取り手を探し、私費で葬儀まで行っていた。ある時、彼が務める「お見送り係」の廃止が決まり、牧本は最後に担当する老人の家族や知人を探して回る。イギリス映画『おみおくりの作法』の邦画リメイクだが、最大の収穫は生真面目で几帳面で思い込んだら一筋、空気が読めなくてどこかズレた本作オリジナルの主人公・牧本の存在であろう。人間誰しもが円満な家族や友人に恵まれるわけじゃないし、器用に生きれるわけでもない。それでも故人の生きた証を繋ぎとめようと猪突猛進する牧本という不器用なキャラが、このリメイク版に独特のユーモアとペーソスを与えている。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

素朴さとユーモアが彩る“温かい孤独”

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 水田監督×主演・阿部サダヲの顔合わせらしからぬ(?)落ち着いたつくり。舞台となる地方都市の時間の流れゆえか、ともかく同じような東北の町で育った身にはリアルに感じられた。

 面白いのは“おそろしく察しの悪い”と言われる主人公のキャラで、映画のユーモアを支える存在。職場では合理化についていけないのに、私生活では食器を使わずフライパンなどからダイレクトに食べる、妙な合理主義が妙味。

 元ネタの『おみおくりの作法』を見ていてもグッとくるラストが、これまた印象的。“STILL LIFE”というタイトルで撮影が進められたというが、この題名でも良かったのでは。ともかく、現代の愛すべきファンタジー。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

今度は笑って泣かせる!?ヤバい瞳をした阿部サダヲ

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

見知らぬ故人の過去を紐解いていく「ファミリーヒストリー」ならぬ、ヒューマンヒストリーを描いた『おみおくりの作法』の日本版リメイク。『死刑にいたる病』に続き、今度もヤバい瞳をしたホラーな阿部サダヲが暴走するにも関わらず、笑って泣かせる。しかも、4度目となる水田伸生監督作とのコラボながら絶叫しない(そのぶん、松下洸平がキレっぱなし)! 現代日本の社会問題を絡めつつ、コメディ要素を多めにした、劇団「ペンギンプルペイルパイルズ」の倉持裕による脚色の巧さが随所に光る。また、場所を特定せず、日本人の原風景として捉えた山形ロケや濃ゆいベテラン俳優もファンタジックな物語に見事に溶け込んでいる。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

15年がかりの見事な前フリ

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

阿部サダヲ主演&水田伸生監督ということで過去3作品のコラボから考えて、またまたハイテンションで突き抜けた笑いの作品なのだろうと思いましたが…。
そういう思いが強ければ強いほど見事なまでに、裏切られる不思議なユーモアと優しさの物語でした。
15年間かけて作った二人の世界観が全部、大きな前フリになっていました。
ちょっと迷惑でいい加減にしてほしいところもある”まきも”とですが、それでも根底にある暖かみが感じ取られるので、憎めません。
ラストのちょっとした奇跡は感動というよりなにかホッとする感じでした。

この短評にはネタバレを含んでいます
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