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イビルアイ (2022):映画短評

イビルアイ (2022)

2023年7月28日公開 100分

イビルアイ
(C) FILM TANK, CINEPOLIS, CINEMA MAQUINA All Rights Reserved.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

相馬 学

単なる魔女奇談には終わらない、寓話的ヒネリに注目

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 よくある魔女ホラーと思いきや、ヒネリの効いた面白さ。これはよくできている。

 キーとなるのは、主人公の少女の13歳という年齢。性への憧れと恐怖を抱く彼女の体験を、現実とも妄想ともつかぬ世界観の中に埋め込む、その恐怖に加え、クライマックスの視点の転換により寓話的なムードも漂う。魔女の世界を、人間の大人の世界につなげる工夫が生きた。

 アルジェント風スプラッターに、デル・トロ風怪奇ジュブナイルが融合したともいえる意欲作。『パラドクス』で注目されて以来、勢いに乗っている俊英エスバン監督は、また一歩先へと進んだ感あり。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

13歳の少女の世界が、忌まわしいものに変わる

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 13歳の少女の目に映る世界が、忌まわしいものに変貌する。その変異は、この年齢のため入手する情報がかなり偏っていることと、この年齢の想像力の柔軟さに起因する。しかも彼女は、両親が自分より病気の妹を重視しているとの不満を抱きつつ、そんな自分を無意識のうちに嫌悪しているため、情緒的に不安定な状態にある。本作で描かれる恐怖が、そうした13歳という時期の普遍的な状態の上に構築されているところが妙味。

 監督はメキシコ出身のイサーク・エスバン。『パラドクス』『ダークレイン』の変化球的ストーリーとは異なり、今回は古典路線。田舎の森、初対面の祖母、土地で語り継がれる伝説が、13歳の夢想の中で絡み合う。

この短評にはネタバレを含んでいます
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