ベスト・キッド:レジェンズ (2025):映画短評
ライター4人の平均評価: 3.8
シリーズへのリスペクトがあふれる!
1984年の『ベスト・キッド』1作目の構造をなぞりながら、2作目にもリスペクトを表明。21世紀のリブート版や『コブラ会』も視野に入れており、シリーズへの愛情の深さにファンとしては嬉しくなる。
ジャッキーとラルフ・マッチォのレジェンド共演はもちろんお楽しみだが、主人公の少年を演じるB・ウォンがイイ。軽やかさを体現しつつ、ハードな武術演技も披露。その好演に、21世紀のカラテ・キッドのあるべき姿を見た。
アップテンポで随所にギャグもまぶされているが、中でも音楽編集でユーモアを醸し出す工夫が印象的。監督のJ・エントウィッスルは初の長編映画とのことだが、ベタつきのないセンスの良さが光っている。
シリーズの魂を「伝承」する
半ば強引なミヤギ登場の「伝承」エピソードを導入部に、ほぼ一作目のリブートといえる物語が展開。とはいえ、主人公が最初からカンフーの使い手という設定だけに、「で、ジャッキー・チェンは?」「そもそも、ラルフ・マッチオは?」と不安を抱かせるが、満を持しての夢の競演! そこから急激に面白くなるうえ、しっかり「コブラ会」からの新規に向けてもフォロー。これをファミリー向け映画として、94分間でまとめ上げたことは高く評価したい。また、シリーズの魂を「伝承」するという点では『バッドボーイズ』『ゴーストバスターズ』に次ぐ、ソニー・ピクチャーズによるフランチャイズ映画として成立している。
ファン感謝祭
シリーズ化されリメイク版も作られましたが、決してビッグタイトルとまでは言えないフランチャイズでしたが、やはり”コブラ会”の功績は大きかったですね。この流れを受けてオリジナルのシリーズにリメイク版まで同じユニバースに取り込むという荒業で一本の映画に仕上げました。結果としてラルフ・マッチオとジャッキー・チェンを同じスクリーンに納めることに成功し、新旧ファンが喜ぶ一本となりました。長年このシリーズに付き合い続けてきたファンへの感謝祭と言える作品です。新世代の主人公を任されたベン・ウォンも大健闘しています。超一級の映画とは言えませんが終始微笑ましさが感じられます。
約90分サイズにめっちゃ盛り沢山!
よくこれだけ詰め込んだな! 冒頭からミスター・ミヤギが登場(沖縄)し、北京そしてNYへ。まるで1984年(+86年)版と2010年版のハーフ&ハーフにトッピングをメガ盛りしたピザのような映画だ。お話はオリジナルの“ほぼ替え歌”ながら、『ロッキー』シリーズ……というか『ロッキー・ザ・ファイナル』的要素もぶっこんでたり。
主演のベン・ウォンも快調。小柄で童顔、実は高性能。劇中で“チャイニーズ・ピーター・パーカー”(スパイダーマン)とも呼ばれるまさにBoy next door系の魅力だ。ジャッキー・チェン師匠はニードルズのトラックジャケット&パンツを着用! 出来云々を超えた楽しい時間がここにある。






















