ブロークン 復讐者の夜 (2025):映画短評
ハ・ジョンウの「顔」で、あらゆる局面を物語らせる
殺された弟。行方がわからない弟の妻。その関係を予告したかのような小説の存在…と何やら、ややこしい状況なのだが、観ながらその世界に馴染んでしまう不思議な引力を持った作品。兄ミンテの行動がかなり強引だが、そのノリを映画が体現しているかのよう。そして基本は、事件の“真相探し”ドラマからブレない。
かつて組織の一員で今はカタギというミンテ役に、ハ・ジョンウの顔がパーフェクトな説得力を与える。相手を挑発しつつ、有無を言わせぬ眼の表情、見下した笑みで、その男の“過去”を滲ませる高等テクニック。無敵の格闘術はシンプルにカッコいい。
ポイントに絞った痛いシーン、様式美も備えたハードなアクションも見ごたえ十分。
この短評にはネタバレを含んでいます



















