カミング・ホーム (2023):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
優しさとユーモアにあふれ、クライマックスでは大感動
エイリアンものは数多くあれど、これはひと味もふた味も違う。エイリアンの話というより人間たちの話。UFOがあまりにお決まりのデザインなのも、そこは重要でないから。平和で不自由ない生活を送っているようで、実は孤独を抱えている高齢者たちは、この思いもかけぬ遭遇をきっかけに、自分に向き合うようになる。ユーモアはたっぷり、常に優しさにあふれ、クライマックスでは大感動。脚本家は新人、監督も主にプロデューサーとしてキャリアを築いてきた人で、ベン・キングスレーが主演という以外に表面上の華々しさはないが、見て後悔しない作品。観終わってから、ちょっとご無沙汰気味だった高齢の両親に電話をしなきゃと思うはず。
エイリアンとの初遭遇はここにも
エイリアンとのファーストコンタクトがこうだったら、宇宙は平和だ。庭に宇宙船が不時着し、一人暮らしの高齢者がエイリアンを救助。高齢者たちはエイリアンに優しく、エイリアンも彼らに優しい。そんな『E.T.』の高齢者版だが、ひとヒネリ。高齢者たちは、若い人々に自分たちとは違う一種のエイリアンのように扱われていて、似たもの同士としても結びつく。そして『E.T.』同様、エイリアンに自分の星に来ないかと誘われる。
主演は、マーベル・ドラマ「ワンダーマン」でも卓越した演技力を再認識させたベン・キングズレー。少々気難しくて頑固だが、庭に倒れていればエイリアンでも躊躇なく介抱する人物を、軽やかに演じている。






















