ドランクヌードル (2022):映画短評
刺繍アートが導く都市と自然のサマー・ポートレート
ニューヨークを拠点とするブエノスアイレス出身の新鋭ルシオ・カストロ監督の注目作(カンヌACID部門選出)。ブルックリンの熱気とアップステートの森の涼しさが交互に流れ込む。サル・サランドラの刺繍アートが放つユーモラスでエロティックな気配は、クィアアートの自由な精神を鮮やかに映し出し、都市のリズムと自然の呼吸がゆるやかに響き合う独自の世界を形作る。
全4章の物語は派手に動かない。だが夜の公園の気配や森での時間、アートとの出会いが、青年アドナンの内側に積み重なり、世界の見え方をわずかに変えていく。幻想は日常のすぐ隣にある揺らぎとして立ち上がり、夏の空気に溶けるような手触りが我々に静かな余韻を残す。
この短評にはネタバレを含んでいます





















