口蹄疫から生きのびた豚 (2024):映画短評
徹底性が光るハードコアな寓話ノワール
これが長編2作目となる気鋭ホ・ボムウク監督は、韓国ノワールが描いてきた構造的暴力をアニメーションに移植した。ヨン・サンホの『豚の王』や『我は神なり』の暗い流れを受け継ぎつつ、豚と兵士が互いの存在を反転させる変身劇を通し、弱者が追い詰められる社会の闇を鋭く照射する。寓話的手法と生々しい作画が、実写以上の痛みを伴って迫る。
物語にはシルヴィア・プラスの詩「ダディ」が静かに沈む。兵士が森で出会う女性は抑圧と告白の衝動を流し込み、孤独を深く刻む。希望を一瞬見せてから奪う語り口は韓国ノワールのお家芸だが、それをさらに研ぎ澄ませた。イメージを極限まで押し広げ、人間であることの呪いを描き切る筆致が鮮烈だ。
この短評にはネタバレを含んでいます





















