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口蹄疫から生きのびた豚 (2024):映画短評

2026年5月29日公開 104分

口蹄疫から生きのびた豚
(C) 2024 HUR FILMS, Creative SUMM / All rights reserved.
森 直人

徹底性が光るハードコアな寓話ノワール

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

これが長編2作目となる気鋭ホ・ボムウク監督は、韓国ノワールが描いてきた構造的暴力をアニメーションに移植した。ヨン・サンホの『豚の王』や『我は神なり』の暗い流れを受け継ぎつつ、豚と兵士が互いの存在を反転させる変身劇を通し、弱者が追い詰められる社会の闇を鋭く照射する。寓話的手法と生々しい作画が、実写以上の痛みを伴って迫る。

物語にはシルヴィア・プラスの詩「ダディ」が静かに沈む。兵士が森で出会う女性は抑圧と告白の衝動を流し込み、孤独を深く刻む。希望を一瞬見せてから奪う語り口は韓国ノワールのお家芸だが、それをさらに研ぎ澄ませた。イメージを極限まで押し広げ、人間であることの呪いを描き切る筆致が鮮烈だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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