NEW GROUP (2026):映画短評
ライター4人の平均評価: 3.5
2026年の『見える子ちゃん』枠!
作風はまったく違えど、「2026年の『見える子ちゃん』」ともいえる、食傷気味だったJホラーの枠を超えたKADOKAWAホラー。“日本版『ミッドサマー』”をやりたかっただけ!としか思えない前作『みなに幸あれ』に比べると、しっかり下津優太監督の作家性やオリジナリティを感じさせてくれる怪作である。『ねらわれた学園』(角川映画!)を想起させるとトンチキすぎるSF展開のなか、どんな構造かよく分からない「人間ピラミッド」のヴィジュアルがとにかく圧倒的! 一見ネタ映画に見えて、それだけでは終わらせない。清水崇監督も巻き込んだ『ゾンビ』オマージュなど、やりたい放題な遊び心も買いたい。
組体操が笑えてコワイ
怪作。同調圧力と忖度で成立している現在の日本社会を、「組体操」というヴィジュアル映えする形状に象徴させる。それを、全員が同じ制服を着用する「学校」という場所で展開する。そのアイデアだけで、豪速直球で一点突破する潔さ。考えてみればかなり異様な「組体操」というもののいびつさを徹底的に追求し、その形状をエスカレートさせていくヴィジュアルは、どこか笑えるのに恐ろしく、クライマックスの光景に思わず爆笑させられながら、笑いが引き攣る。
原作はなく、原案は、監督・共同脚本の下津優太。前作『みなに幸あれ』とテーマは通底しているが、ヴィジュアル・インパクトは格段に進化。次回作にも期待。
日本社会が大好きな「集団」の気持ち悪さ
前作『みなに幸あれ』で田舎の村社会ぶりをねっとりと気持ち悪く不条理ホラーとして描いた下津優太監督の新作。一糸乱れぬ行進とか組体操とか集団行動とかに代表される日本社会の抑圧と気持ち悪さを不条理ホラーにするというアイデアは買い。自分も小中学生の頃、学校でやたらと行進や組体操の練習をさせられていたことを思い出した。朝礼台で眺めていた教師たちは、さぞ気持ち良かったことだろう。もちろん、列を乱す子には怒鳴り散らしていたし、そういう学校ほど陰湿ないじめや暴力が横行する。『ミッドサマー』みたいな映画になる可能性もあったが、最後は悪ふざけに走った感がある。幼児が無惨に死ぬ描写の必然性も感じなかった。
思考停止した現代の日本人に喝を入れる異色の不条理ホラー
主人公は大人しくて控えめで自己主張せず、目上の者に従順で長いものに巻かれ、都合の悪いものには目をつぶってしてしまう、それはそれは日本人らしい平凡な女子高生。だがある時、彼女は周辺で起きる不可解な現象に気付き、やがて見過ごすことができなくなる。個人よりも集団が優先され、多数派に従って空気を読んで輪を乱さないことが尊ばれる。そんな日本社会に蔓延る同調圧力そのものを、禍々しい恐怖の根源として描いた不条理ホラー。人間ピラミッドを集団行動の象徴として怪物化したアイディアも最高である。世の中に疑問を持て!自分の頭で考えろ!流されるな!「ポーッ!」の大絶叫に込められたメッセージは切実だ。










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