朝まで飲んで語り明かした「あの頃」を思い出させてくれる

大学卒業を目の前にした飲み会で彼女と知り合い、前途洋々たる未来への期待に胸を膨らませる若者が、しかし社会へ出てみると「こんなはずじゃなかった」という現実に次々とぶち当たり、やがて楽しかった青春時代も終わりを迎えていく。いやあ、これは「かつての若者」世代なら刺さりまくる映画でしょう。友達や恋人と夜遅くまでダラダラと飲み明かし、仕事の愚痴や将来の夢などを取りとめもなく語りながら、まだ誰もいない明け方の東京の街をトボトボと歩きながら家に帰る。ああ、自分もこんな20代を過ごしたっけなあ…と久しく忘れていた「あの頃」を思い出させてくれる作品。ほろ苦さと甘酸っぱさの絶妙なブレンドがたまらない。