いつか家族に (2015):映画短評
いつか家族に (2015)韓国の名優ハ・ジョンウが中国のベストセラーを映画化
文化大革命前後を舞台にした中国のベストセラー小説『血を売る男』を、朝鮮戦争後の韓国へと舞台を移して映画化した作品。主演は『お嬢さん』などでお馴染みの名優ハ・ジョンウだが、今回は監督や脚本まで担当。古き良き時代への郷愁を漂わせつつ、血の繋がりだ格式だとこだわる封建的な価値観や、病気の子供に満足な治療を受けさせることも出来ない貧困の惨めさなど、当時の社会の理不尽で暗い面もしっかりと描いている。ただ、自分の子じゃなかったからといって、それまで可愛がってきた長男に次々と酷い仕打ちをする主人公に感情移入できず、後半の切ない家族愛も素直に感動できない。下らない男の意地やプライドは迷惑でしかありませんな。
この短評にはネタバレを含んでいます