ザ・バウンサー (2018):映画短評
ザ・バウンサー (2018)ジャン=クロード・ヴァン・ダム入魂の激渋ノワール
あのジャン=クロード・ヴァン・ダムが、フレンチ・アクションの名匠ジュリアン・ルクレルクと初めて組んだ激渋ノワール。とある理由で世間から身を隠し、夜の世界で用心棒稼業をしている元ボディガードが、警察に弱みを握られたことから危険な潜入捜査を強要される。どこまでも荒涼としたダークな世界観、洗練されながらもリアルでハードなアクション演出、そして世の理不尽と人生の不条理を黙って受け入れつつ、それでもなお愛する娘を育て上げるため、衰えはじめた肉体に鞭を打って逆境を生き抜く中年男を演じるヴァン・ダムが素晴らしい。これは間違いなく、彼にとってキャリア史上最高の演技。立派な役者になったとつくづく感じる。
この短評にはネタバレを含んでいます