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BLUE/ブルー (2021):映画短評

BLUE/ブルー (2021)

2021年4月9日公開 107分

BLUE/ブルー
(C) 2021『BLUE/ブルー』製作委員会

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.2

なかざわひでゆき

努力が必ずしも報われるわけじゃないけれど…

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 誰よりもボクシングを愛し、ひたむきな努力を続けながらも負けてばかりの先輩と、彼に誘われてボクシングの世界に入ったところ類稀な才能を発揮し、チャンピオンの座を狙うまでに成長した後輩。そんな対照的な2人のボクサーの固く結ばれた友情を通して、努力が必ずしも報われるわけではない残酷な現実を浮き彫りにしつつ、それでもなお自分が好きなことに情熱を捧げる人生の素晴らしさを謳いあげる。彼らを取り巻くボクシング・ジム内の人間模様も面白く、やはり何事も「基本」はおろそかにしちゃいけないし、勝ち負け以前に人間性ってのもプロの世界で重要だよねと痛感させられる。ほろ苦くも実に愛の溢れた映画だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

才能の欠如とはなんと残酷なもの……

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

才能に恵まれない青年と王座獲得間近の後輩、女にモテたいというチャラい理由で始めた青年。ボクシングに魅了された男3人の青春、友情と恋、嫉妬と羨望、挫折と希望を巧みに織り交ぜた好感度の高い作品だ。ガッツはあるけれど才能はなく、さらには好きな女性もライバルに奪われたという負けっぱなしボクサーを演じる松山ケンイチが非常にいい。一見飄々としているのだが、ちょっとした表情や視線で心の奥に渦巻く悔しさや情けなさを表現する。彼と強い後輩の関係だけでなく、柄本時生演じる中庸の青年が加わることで人間関係に深みが出て、人生は勝負だけじゃないとも思わせる。とはいえ、才能の欠如とは実に残酷。我が手をじっと見る。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

あきらめられない男たち

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

“あきらめられない人々”を描いている点では、同じ吉田恵輔監督の『ばしゃ馬さんとビッグマウス』と通ずるものがあるが、コンクールなどの結果が曖昧な脚本家とは違い、今度は勝敗がハッキリ出てしまうボクシングの世界。それだけに、とても残酷なものを見せつけられる。ガチで殺陣指導も務めるほどの気合いも入った吉田監督だが、清々しい俳優陣の好演もあり、これまでになくまっすぐな青春映画に仕上がっている。細かすぎて伝わらないリアリティなど、いちどは後楽園ホールのリングに上がることを夢見た人など、ボクシング経験者はもちろんだが、 “アンチ『アンダードッグ』”にもしっかり響く一作といえる。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

ボクシング映画として、新たな地平をめざす意図が伝わる

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ロッキー』に代表されるように、ボクシング映画に求められるものは不屈の闘志とカタルシス。日本映画でも多くがその特性を受け継いできたが、本作は明らかに異種のテイスト。そこが新鮮かも。
重要な試合も予想を裏切る短さだったり、あえて劇伴(音楽)を入れることを避けたり、意識的に映画的な盛り上がりを希薄にしようとする演出が感じられる。そこから浮かび上がってくるのは、メインの3人がボクシングと向き合う姿勢。このまま続けるべきか、そして勝つべきかという葛藤で、それが作品全体のムードを支配し新たなボクシング映画に結実した印象だ。俳優たちの肉体は役に説得力を与え、タイトルのブルーに込められた思いもカッコいい。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

アイム・ソー・ブルー

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

長年アマチュアボクサーとして活動している吉田恵輔が「監督・脚本・殺陣指導」を務めた素晴らしい映画。彼のフィルモグラフィの中では『ばしゃ馬さんとビッグマウス』に近い。才能や実力をシビアに試される場の物語。『トキワ荘の青春』のイメージもあったというが、寺田ヒロオ氏に当たる長兄的存在・瓜田(松山ケンイチ)という主人公像などボクシング映画として全く新しい構造だ。

メインの男性俳優3人は『聖の青春』でも共演していたが、我流で「基本」をやろうとしない赤い髪の洞口(守谷周徒)など興味深いキャラばかり。なぜか伸びるやつ、伸びないやつ。自己実現という世界の哀と美と魔を描き尽くし「普遍」に手を掛けた人間賛歌だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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