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狼をさがして (2020):映画短評

狼をさがして (2020)

2021年3月27日公開 74分

狼をさがして
(C) Gaam Pictures

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

中山 治美

加害と向き合う

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

本作が韓国の監督によって制作されたことを重く受け止めるべきだろう。キム・ミレ監督は解雇された非正規社員がスーパーで泊まり込み闘争を行ったドキュメンタリー『外泊』で知られるが、労働問題を追っている中でこの連続企業爆破事件を知ったという。「狼」が攻撃対象とした日帝の侵略企業や植民者が国内外で行った強制労働や抑圧の事実。つまり我々の加害の歴史だ。しかし”不都合な真実”は歴史から抹消されがち。だがそこに向き合ってこなかったがために、藤元明緒監督『海辺の彼女たち』でも描かれているような外国人技能実習生とは名ばかりの労働の搾取が今も平然と行われているのではないか。”今”を読み解く為にも必見の力作である。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

東アジア反日武装戦線とは一体何だったのか

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 1970年代半ば、侵略戦争に加担して利益を貪った旧財閥系企業などを標的に、死傷者を伴う連続爆破事件を起こして日本社会を震撼させた東アジア反日武装戦線“狼”。その当事者や関係者の今を取材しながら、彼らが追い求めた理想とは何だったのかを振り返るドキュメンタリーだ。戦前・戦中の総括も反省もろくにしないまま、経済を武器に新たな帝国主義の道へひた走る日本社会へ抱いた彼らの怒り。短絡的な暴力に訴えようとした彼らの罪と過ちは弁護のしようがないものの、しかし大日本帝国的なものの復活を望む人々が歴史改竄を目論み、隣国や弱者への憎悪を煽る昨今、「反大日本帝国」を掲げた彼らの理想自体は間違っていなかったと思う。

この短評にはネタバレを含んでいます
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