ツーアウトフルベース (2022)：映画短評

ヤンキー世界の憧れ強い内田英治らしい脚本だけに、7ORDER阿部顕嵐と元M!LK板垣瑞生の異色タッグによるアイドル映画に見えながら、PG12にしてはかなりヘヴィ。しかも、痛みを感じるバイオレンス描写も多く、2人を愛でる気持ちで観ると痛い目に遭うので要注意。落ちぶれた2人が“イチかバチか”で人生の一発逆転を狙う展開や劇伴は、ガイ・リッチー監督作を意識しているが、演出や編集などに関してはVシネ感強め。『パッチギ！』から始まった藤澤浩和監督のキャリアを踏まえると、思わず納得。工藤遥の狂気に、渋川清彦＆後藤剛範の顔面力、カトウシンスケのヘタレっぷりなど、キャスティングに助けられた感アリ。